精神保健福祉士のchiroです。4年あまり障がい者の就職支援をしていました。その中で就職の面接の時に障がいのことをクローズ(非開示)する場合とオープン(開示)する選択があります。そのメリット、デメリットについてご紹介します。
以前、クローズで就職した方の紹介をしましたが、就職するときに障がいを開示するか非開示かそれぞれメリット、デメリットがあります。
選択するのはご本人ですがそのデメリットも分かって選択していただきたいと思います。
クローズのメリット
障がいをクローズ(非開示)して就職するということは、健常者と同じ一般就労になります。
メリットは
- 求人数が多い
- 本来もっている能力を評価してもらえる
ことがあげられます。一般求人は障がい者雇用とは違い、ハローワークでも、求人サイトでも求人数が多いです。
ちなみにハローワークインターネットサービスで大阪府でそれぞれを検索すると
一般求人 48614件
障がい者枠 375件
で求人数は100倍以上になります。
※障がい者枠にはインターネットに載せていない求人があるのでもう少し多くなります。
一般求人では資格や経験など本来の能力を評価してもらえます。
オープンのメリット
障がいをオープン(開示)して就職することによるメリットは
- 合理的配慮(※)を受けられる。 (※働きやすいように配慮すること)
- 受診のための休みがとりやすい。
- メンタル的なアドバイスを受けられる。
- 自分が納得できる業務に調整してもらえる。
こととがあげられます。まずは自分がしてほしい配慮を受うことができます。
例えば、音が苦手なら静かな環境で業務できるようにしていただけたり、
対人関係が苦手ならば、個人で集中してできる仕事をマッチングしてもらえます。
受診で月1回休みが必要なら有給がなくても休めるようにしてくれます。
直接の上司に言いにくくても相談できる担当者がいて定期的に面談してくれる企業もあります。
業務を継続するうえで支障となることが出てきたら、解決できるように企業が調整してくれます。
クローズのデメリット
障がいをクローズして就職した場合のデメリットは
- 自分のいやな業務でも我慢して仕事をしないといけない(一般ではあたりまですが)
- 精神的に不安定になっても休めず無理を強いられる。
障がいを持っていても健常者と同じ条件になるので、苦手だからと言って業務内容を選ぶことができない。
万が一精神的にしんどくなっても休みをとりずらく無理をしてしまう。
最悪は会社に行けなくなり退職することになる。
オープンのデメリット
障がい者枠でのデメリットは
- そもそも求人が少ない。
- 就職するには職種にこだわらないことが必要。
- 昇格が少ない。
- 重要な仕事につかせてもらえない
オープンのメリットの逆になるので、求人数が少なく狭き門になります。
自分がしたい業種がなく、ある程度割り切らないとなかなか採用が決まらない。
企業の体質によりますが、障がい者は補助的な業務に配置することが多く、
資格や経験があっても評価してもらえないことがあります。
そして責任のあるポストに起用されることが少ないため昇格、昇給は少なくなります。
まとめ
クローズかオープンか選択するのはあなた自身です。
配慮も必要なくバリバリ働ける自身があるのならクローズで可能性を伸ばすことも選択肢をひとつです。
精神面で不安があり配慮が必要ならば障がいをオープンにして自分ができることで会社に貢献し定着することも重要と思います。
結局、就職することはあくまでスタートで、就職したあとに安定して継続することがとても大切になります。
無理をするのではなく、長く続けられる職場、働い方を選んでいただいたいです。
クローズでも、オープンでも就労相談の窓口では相談が受けられます。一度、ご相談してみてください。
障がいの状況や実務経験、必要な配慮によってはこの限りではないので参考にしてください。